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慢性閉塞性肺疾患

(まんせいへいそくせいはいしっかん COPD Chronic Obstructive Pulmonary Disease)

慢性閉塞性肺疾患とは
慢性気管支炎と肺気腫の 2 つの病気の総称です。
様々な有毒なガスや微粒子の吸入、主に喫煙(受動喫煙を含む)がきっかけで発祥し、患者の90%が喫煙者です。別名たばこ病とも呼ばれています。
喫煙習慣を背景に中高年に発症する生活習慣病の一つといえます。

〜COPDによる死は喘息死のなんと約6倍〜
殆どののCOPD患者は重症になり診断されるケースが多く、より早期の段階で診断、治療できていないのが現状です。COPD患者は年々増加しており、2007年度の調査では喘息死の約6倍にもなっています。

慢性閉塞性肺疾患の原因
COPDは気管支や肺などに障害が生じる病気で、その最大の原因はたばこです。
COPDの患者さんの90%が喫煙者という報告があり、タバコの害は男性に比べ女性のほうが受けやすいとされていますので、受動喫煙も含めて女性の方は一層の注意が必要です。
COPDの発症と経過はとてもゆっくりしていて長い時間をかけて気管支と肺を蝕んでいきます。
長年たばこを喫煙してるので「やめるなんて今更」と思われる方もいるかもしれませんが、タバコをやめることで病気を防ぎ、もしCOPDになっても進行を遅らせ、症状を軽減することができます

主な症状
歩行時や階段の昇り降りなど、運動時に息切れを感じる労作時呼吸困難や慢性のせきやたんが特徴的な症状です。喘鳴や発作性呼吸困難などぜんそくの様な症状を合併する場合もまれにあります。

自身で行う治療

・禁煙
まず最初に行うことは禁煙です。本数を減らす、ニコチンの少ないタバコに変更する、ではなく「完全禁煙」が必要です。
・運動療法
運動すると息切れがすると、どんどん運動しなくなる傾向がありますが、運動不足は体力を低下させ、症状が悪化することもあります。ウオーキングなど無理のない範囲で運動をすることが大切です。
・栄養管理
COPDの方は栄養と水分の摂取に配慮するようにしましょう。
肥満傾向にある人は適正体重になるように食事に気をつけましょう。
COPDの人が風邪やインフルエンザにかかると、ほかの人よりも重症化しやすいので、感染疾患の予防の為にも、しっかりと必要な栄養を摂取して体力を落とさないようにしましょう。
また、COPDは痰が気管支にからみやすくなる為、痰を出しやすくするためにも水分を多めに飲むようにしましょう。

医師の指導のもと行う治療

・ 薬物療法
COPDの治療薬にはいくつかのタイプがあります。
・気管支を広げることで空気の通りをよくする薬(気管支拡張薬)
・咳を鎮めたり痰を切れやすくしたりする作用の薬
・気管支の炎症を鎮める薬
・気管支の細菌を殺し感染を防ぐ薬
などがあります。
・外科手術
内科的な治療で改善がみられず、十分な日常生活が送れない場合に手術を行うことがあります。
・酸素療法
内科的治療を行っても低酸素血症が改善されない場合は、酸素療法を行います。酸素療法を行うことで、職場復帰を果たしている人もいます。